8/14田舎の盆が開けた。
朝早くお墓に仏様をお迎えに行く。
いつもなら歩いて10分ほどの高台にあるお墓に行くのだが、今回は仮設から30分車で移動。
3.11から3度目の帰省で見る両石。目に映る光景と頭に浮かぶ光景が交差する。頭痛がする。納得いかない思いのためか・・・。
海岸に車を停めて歩いてお墓に上がる。
無残にも壊れた堤防。お墓に上がる急な坂道を上がれども上がれども津波に呑まれ土台だけを残す家々が目に入る。
ふと、後ろを振り返る。
まっさらに何も無い。素通しに海が見える。
また、前を向いて歩く。
お墓に着いてお参りをする。お位牌を作るため、塔婆の戒名を記録する。
そして皆でまた、海を見る。
お義母さんが言う「ホントに津波のこんちくしょうだぜ。」
海は何事も無かったように・・・。
同級生に会う。
「今どこに居る?」「何も無ぐなったぜぇ。」
「お前の母さんは、どごさ入ったんだ?」
今まで同じ地域で住んできたにも関わらず、お互いの近況を尋ね合う。地域も、人もバラバラになってしまっている。
悲しい光景。
本日の本業は仮設内をなんとかして生活できる状態にする事。
1週間前にやっと入居でき、洋服は袋に入ったまま出す事も出来ないでいる。
ホームセンターでスチール棚や物干し、キッチン棚やゴミ箱、ストッカーなど大物から小物までを買い揃える。一日その組み立てに追われる。なんとか形になり少しホッとした。
夕方、お墓参りに行く。
また車で移動30分。移動に時間が必要以上にかかる。町も渋滞。
また、ふと思う「なんでこんな事になってるんだろう。」
この日の夜、自分の実家が避難している金沢に移動だが、夕方のお墓参りから戻ったのは7時。義母を主人にお願いして、子どもを連れ車を運転して移動開始。
夜7時、辺りは既に真っ暗。仮設周辺には明かりはあったものの、町中に明かりは無い。車のライトに映し出される真っ暗な闇の道路。廃墟となったボロボロの家。
所々には瓦礫が積んである。どれだけ怖いか・・・。
子どもたちは「怖いから寝てるね。」と寝に付くが「オイオイ!私も怖いんだけど~」と言っても誰も聞いてくれない!
廃墟の町を走る事30分、前だけを直視しているものの目標物が何も見当たらないため道路の距離感が掴めない。前の街並みを想像して走る。
しかし、それが逆に“あるものが無い”恐怖感に変わる。そして、ここを流れた人々の無念さを考える。なんとも言えない気持ちで町中を走りきった。
金沢は大槌の町からは30分程。町を抜け、山道を走ると右に左にと仮設の集落が見え始める。もとの町からは15分から20分程の所に4~5箇所の集落があった。
金沢は山間部のため、家は所々にポツン、ポツンとだんだん少なくなり、一本道にも関わらず道を間違えているのではないかと不安になってきてしまった。待避所で携帯かけようと思ったら“圏外”
進むしかないか・・・とまた走り出した。
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